2006年02月09日

シャイン

★★★★☆
ジェフリー・ラッシュ
ノア・テイラー

天才ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いた作品。
(映画中の演奏の大半はヘルフゴッド本人による。)
幼いころからの父親の過剰な愛情と厳格なレッスンのもとに、ピアノに打ち込んできたデヴィッド少年。
過剰なまでに愛情を注ぐ父と、父の束縛からの解放をもとめるデビット。
父の愛情はやがてデビットを追い詰め、それが後に大きな悲劇をもたらすこととなる。
青年になったデヴィッドは、勘当同然のかたちでイギリスの音楽学校に留学し、コンクールでラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」に挑戦することを決意する。
この曲は難関中の難関。と同時に父親との思い出の曲でもあった。
父への反発心から家を出たデヴィッドだったが、父を喜ばせたい、父に認められたいと願う一心で日夜練習に励んだ結果、コンクールの決勝で見事に弾きこなす。
しかし、拍手をあびながら倒れ、以後精神に異常をきたしてしまう・・・。


全身全霊を込めたラフマニノフの演奏。
この演奏のせいで精神に異常をきたしたのかと思ったが、
実際彼を奈落の底に突き落としたのは、やはり父の「異常な愛情」ではないか?
コンクールの優勝メダルを手に、彼の演奏に涙を流す父。
デビットの思いは痛いほど感じたはずなのに、
帰国し電話をかけてきたデビットを冷たく拒絶した。
このときのデビットが味わった絶望が、彼の心を破壊してしまったのでは…?
これは、人格障害のひとつの原因とされる、
母親の「分離不安」と、子供の「見捨てられ不安」のかたちそのもののように見えた。

映画の後半は、そんなデヴィットが愛し愛される人と出会い、
父との決別によってもう一度音楽を取り戻し、
天才ピアニストとして人生を歩き出すまでが描かれていて、
幼少期から青年期を象徴する「雨」の映像とは対照的に、
青く澄み渡る空に輝くデヴィットの生き生きとした姿が印象的。
posted by yukari at 15:30| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画(歴史/人物伝) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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